3月31日、神保町にある1959年創業の「天丼いもや」と「とんかついもや」が閉店した。
この界隈に通う学生やサラリーマンの胃袋を59年もの長きにわたって満たしてきたのだからラストの31日は閉店を惜しむお客さんで長蛇の列ができたという。
その神保町「いもや」の暖簾分けにあたる
「とんかついもや」が馬喰町にある。
たまたまこちらで仕事があった日に同僚と行ってみる。
ちょっとわかりづらい路地裏にある。
11時開店で我々は11時10分ほどの到着。
さすがにまだ先客は2名で、店内はまだのんびりしていた。
白木の美しいL字カウンターには丸椅子が並ぶ。
メニューはとんかつ、ヒレかつ、えびフライ、魚盛り合わせという4つが基本。
そこにアジフライやえびフライなどをトッピングできるようで、
「とんかつにアジフライ」とかいうようにオーダーできるのだ。
季節限定でカキフライもあり、
メニューの下に小さく「カキフライ」の文字もあったが、
最初気づかず、ふたりとも「とんかつ定食」を注文した。
カウンターには小梅、キューちゃん、しば漬けが置かれていて自由に食べられる。
座った場所によって手が届く漬物が変わってくるのでそれは運次第であろう。
真ん中にある昔懐かしいシュガーポットには、辛子がたんまり。
まだ店内が空いていたので、店主も調理をしながら、お客さんと談笑。
我々はまったくの一見だったのだが、
店主はまるで我々が何度も来ている常連かのように話しかけてくれて、
ちょうどサガワさんの証人喚問の日でもあったので昨今の政治の話題なんかをしながら、とんかつが揚がるのを待った。
そして、とんかつ完成間近になって同僚が「カキフライ」の存在に気づき
「カキフライを追加してください」と間の悪いオーダー。
(おいおい、そりゃ無理だろっ!)って心の中でツッコミを入れる。
すでに後客で店内は満席になっており、オーダーが詰まっている。
ここから追加オーダーは順番を乱すので、
腰の低い優しい奥さんが「ごめんなさいね~」と丁寧にことわる。
そりゃそうだわなぁ~
それは同僚が悪いですって。
おとうさん、おかあさん、ごめんなさい(^^;
そして、とんかつ定食(800円)の降臨。
高級とんかつではなく、こういう大衆的なとんかつ定食が好き❤
石神井の"とんかつ王子"こと、
しいなさんは毎日のようにとんかつを昼飯で食べている。
そんでもって、食べたばかりの美味そうなとんかつをご丁寧にFacebookにアップしてくるもんだから、このところ無性にとんかつが食べたかったんだよね~😋
とんかつはロースで厚みも十分で、キャベツの盛りもいい。
しじみの味噌汁は夜の活動で疲れた肝臓をいたわってくれる。
さくっとした食感とカツからあふれだす脂がたまらん。
白飯の掻き込みもとまらん。
あ~、とんかつはこうでなくっちゃなぁ。
やっぱカツはロースに限るって。
すると突如、
店主がちょっと嬉しそうな顔をしながらカキフライを我々の皿にひとつずつ置いてくれたのだ。
え???
なになに???
一瞬、何が起きたのかわからなかったが、
店主が我々のためにカキフライをこそっと揚げてくれていたのだ。
マジっすか!!!
すんげぇ忙しいのに、一見の我々にこんなことしてくださるなんて・・・
泣きそう。。。
カキフライが美味いのはもはや言うまでもない。
さらにビックリしたのはお会計が800円であったこと。
えぇぇぇぇ!
あのカキフライ、サービスなんすかぁぁぁぁぁ!
もうホントに泣けてきた(ToT)
最初の世間話がよかったのかな(^0^;)
かつて早稲田にあった「いもや」は私語厳禁・スマホ厳禁だったらしいが、
「いもや」はどこも職人気質なぶん、手厳しいお店も多いと聞く。
しかし、馬喰町の「いもや」は店主と奥様の優しいお人柄が随所に感じられ、
また足を運びたくなる暖かいお店であった。
店を出る頃には店先まで待ち客がいた。
みんな、おとうさんが揚げるとんかつとおかあさんがよそるお味噌汁が食べたくて来てるんだろうな。
こちらのご夫婦もご高齢であるが、元気な限りがんばってほしいものだ。
ごちそうさまでした。
また来ます!
とんかつ いもや
千代田区東神田1丁目14−6
電話: 03-3861-9454
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