さてどうしようかとぶらついていると、たまに行く小料理居酒屋の前に
「ランチ営業しております」
との貼り紙が。
普段は夜の飲み利用ばかりなのだが、ランチも始めたのね、とふらり暖簾をくぐる。
間口の狭さからは想像しにくいほどの奥行きがある店内だが、先客で半ば埋まっている。
ここのご主人の作る夜の肴はどれもおいしいのだが、これはランチも期待できるかも、と内心浮かれつつメニューを眺める。
魚という気分でもなし、豚のランチを頼む。
生ビールでのどを湿らせながら、待つこと数分。
まずは向付。
青釉が目にも鮮やかな陶器の皿に載って出てきたのは、ベーコンと菜の花の冷菜。
酸味を抑えたソースにからめていただく。
続いて椀物は茶碗蒸し。
上に散らされたあられの香ばしさを楽しみながら食べ進むと、弾力のある手触りが。
すくってみると、底からお餅が顔を出す。
茶碗蒸しにお餅、この組み合わせは初めてだが、少し濃いめの味付けの餡と絡んで非常においしい。
するすると食べ進んでしまう。
ここまで来ると焼物への期待が否応なく高まる。
美味しいランチを出す居酒屋ではビールをおかわりして応援することがモットーなので、2杯目をいただきながら首を長くする。
幸い、さほど待つこともなく焼物が登場。
合わせてご飯とみそ汁、香の物が並ぶ。
厚めにカットされた豚ロースに甘辛のとろみの付いたソースが絡んで、ご飯が進む。
シジミの味噌汁も、上品な出汁の取り方で非常においしい。
暖かいほうじ茶と香の物で余韻を楽しんでいると、締めの甘味が。
上品な甘さのアイスクリームでさっぱりしたところで、ご馳走さま。
思いもかけず立ち寄った店だが、なかなかの収穫だった。
昼も顔を出すとしよう。
店名：いぶし銀
住所：富山県富山市西町４－２１
TEL：076-493-2006
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