久々に取れた4連休の初日にテレビを点けるとイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果速報を放映していた。私が起きた頃は残留派が51%くらいで優勢だった。
しばらくすると体調が良くないことに気付いた。お腹の調子がおかしい。いつもの調子の悪さとは違いもっと根深い問題を孕んでるような痛みだった。
4連休とはいえ、弾丸で博多から沖縄に現実逃避をしようと考えていた私はイギリスのEU離脱問題と同様に、行くべきか、行かざるべきか、の判断を迫られていた。
(いや厳密にいうと1日休んで博多をすっ飛ばして沖縄に行くかと選択肢もあったのだが。)
一方、テレビを見ていると事前の予想とは裏腹に離脱派が51%となっていた。
イギリス国民は、よりハードな道程が予想される決断を行ったようだ。そうなれば私としてもより困難な選択肢を選ぶしかないだろう。
とりあえず最低限の身支度をして、一路東京駅に向かう。飛行機は予約が取れず17時40分到着の新幹線で18時30分からのHKT48劇場公演に間に合わす算段だ。
(言い忘れていだがHKT劇場公演に当選している。)
しかしである。EU離脱が前途多難であるように私の博多に向かう選択も暗雲が立ち込めてきた。新幹線に乗ったは良いものの、お腹の激痛が治らない。悶絶しながら早く到着しろ、いや、行くという選択が間違っていたのでは?という後悔の念にかられる。
やっとの思いで博多に着いたころには、もはやアイドルを見にいく気力は失せ、ホテルでひたすら休養したいという思いに変わっていた。
博多駅から徒歩5分のリッチモンドホテルに向かう。(ちょっと高めのホテルをチョイスしたのは不幸中の幸いだったかもしれない。)
チェックインを済ませ、部屋に入ったと同時に、ベットに倒れこむ。もはや風呂に入る気力もない。ひたすら眠る。今回の腹痛は頻繁にトイレに行きたくなるというよりは、便秘気味でお腹が張るような痛みに苛まれた。
かれこれ15時くらい眠っただろうか。午後18時にベットに倒れこみ、起きたら朝9時過ぎだった。お腹の痛みは完全に消えていないものの、だいぶマシになっていた。
さてどうしようか。HKTは見れなかったし、博多の居酒屋にも行けなかった。何しに博多に来たのか。リカバリ策を考える。
博多のアイドルはHKTだけではない。長年やっているLinQもいるし、橋本環奈を擁するRev. from DVLもいるではないか。そういえばLinQは博多で毎週末公演してたな。入れるか不安であったが、LinQの本拠地、ベスト電気11階天神ベストホールに向かった。
当日券はありますか？との質問に有りますとのにこやかな回答。よしツキが回ってきたぞ。
最近よくアイドル混合イベントに出没している私だが、LinQは初見である。曲もメンバーも全く分からない。
しかし出だしの一曲目からその不安は打ち消された。かわいいがどうかは微妙なところもあるが、元気いっぱい笑顔でダンスするというアイドルの根源的なパフォーマンスを魅せつけられた。
折からの体調不良で引きつっていた私の表情にも笑みがこぼれる。元気のない人を元気づける。これぞアイドルの存在意義。
割と真ん中で歌っていた新木さくらに目がいく。表情の作り方、観客への反応が素晴らしい。まぁ何といってもアイドル顔だし。
そんなこんなで公演終了。アイドルのイベントらしく特典会があったが、レギュレーションがよく分からないため不参加。しかし旅行気分の衝動で若干余分なDVDを購入。
会場をあとにし、気づけば丸一日まともなものを食べていないことに気づく。著しく食を欲していた。しかし博多の脂っこい食べ物は荷が重い。消化に良いものは何だろうか。そうだ、うどんである。
おもむろにスマホで近隣の美味そうなうどん屋を探す。うどん和助なる魅せつけが食べログの評点3.55だ。しかもあっさりしていてお腹にも良さそうだ。
店頭までくると既に5〜6名程度お客さんが並んでいた。店員から事前に選んでおいて下さいとメニューを渡される。
どうやら、ゴボウの天ぷら推しの店のようなので、脂っこくもあるが、ゴボウの天ぷらとうどんのセットを頼んだ。
ゴボウ天ぷらをひとくち。これはうまい。しかしお腹の調子が悪くなければ、ビールでぐいっといってゴボウの天ぷらを頬張っていたのにと悔やまれる。
うどんも博多らしく細麺タイプ。つるつると飲み込みやすい。汁をすすると、五臓六腑が蘇ってきたような感覚。あらゆる臓器が活動を再開し始めた。
ゴボウ天ぷらは少し残したけど、調子が良い時にがっつり食べに行きたい店だ。
さて、これからどうしようか。
次回、
「バファリン片手に沖縄へ」の巻。
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