かなり久し振りの中野。このコロナ禍で酒場街の風景は変わっているのだろうか。
懐かしい空気感を感じながら、良く通っていた店の生存確認をしながら歩く。
酒場にとって厳しい経営環境でありながら、新しい店舗も多く出来ているようだ。
そんな中気になる店舗を見つけた。
昔は古めかしい食堂があったと記憶しているが…。
お好み焼 中野 かるたか。
粉モンも久し振りだし入ってみっか。
どうやら新規オープンしてあまり日が経っていないようで祝いの蘭が飾られている。
店内はカウンターのみで鉄板が据え付けられているタイプではない。
カウンター越しに見える調理場の鉄板でお好み焼きを作ってくれるパターンか。
しかしカウンターだけというのがイイ。
一人でも入りやすいお好み焼き屋ってあんま無いもんな。
メニューを拝見。
中野にあってアサヒ。ホッピーもあるな。充分だ。まずはビール。
そして何を肴とするか思案する。取り敢えずはスピードメニューでキムチとしよう。
ビールは一瞬で蒸発してしまったので、既にホッピー。
なんとも瑞々しい味わいのキムチ。爽やかな辛さ。
ありそうでない。美味いじゃないか。
掲示された黒板メニューから一品頼もう。
これはもう旨塩せせりしかないでしょうな。鉄板焼なんだから(?)
牛ホルモンも気になるところだったが…。
割と値段するな〜と思って頼んだが、このボリューム。
野菜ともやしにせせりの肉汁が染みている。
トッピングされた唐辛子もいいアクセントだ。せせり肉もキュとした食感で旨味たっぷり。
これは上々だ。美味し。
さてメインディッシュ。
ここはスタンダードに豚玉とすべき所…。チーズの響きに負けてWチーズ玉で。
お好み焼きを生成する1つ1つの工程。
店主はストップウォッチでタイマー設定しながら進めている。
こういうのは直感でやるもんだと思うが…。
しかし裏を返せば、品質のブレを無くし最高の仕上がりを変わりなく提供する姿勢とも言い換えられる。相当な試行錯誤があったのかもしれない。
温められた鉄板に乗ってWチーズ玉が出てきた。
なるほどこういう提供の仕方なのね。
しかしなんともソソられるフォルムではないか。
鉄板に合わせたRの描き方。アートだな。
断面。チーズが糸を引く。生地とキャベツが実に巧くまとまっている。
その実、食感もトロリとしている。生焼けというわけではない。
しっかりとしたチーズのコクの中にキャベツの旨味も感じられる。
絶妙なバランスだ。
これは…明確に美味いお好み焼き。関西出身のヤマピカも美味さに唸る。
この店舗の周りに2〜3店舗お好み焼き屋があるが、そのどれよりも美味い。
驚いた。これはスタンダードな豚玉でも美味いだろう。
店主は相当な会話好き。
聞けば元は歌舞伎町でバーを経営していたという。
そこで肴としてお好み焼きを出すことがあり、転じて、中野で当店をオープンさせた。
どこか鉄板焼屋で修行していたのかと思いきや、コロナ禍でバーの経営が超絶ヒマな際、黙々とお好み焼きを焼いて練習していたらしい。
成程、その研鑽があの細かなストップウォッチマネジメントを産んだわけか(知らんけど)。
それにしても独学でこの品質。恐るべし。
「フライパンで作る料理は面白くなくて。コテで鉄板で焼いて作るのが好きなんです」
う〜ん。ヤマピカもその気持ち、すっごくよく分かる。
自分で焼ける所だったら、人にやらせないもんな笑
脱サラすることがあれば、学生街で鉄板焼屋やりたいくらいだ。
バンド経験もある軽妙なご主人が作る珠玉のお好み焼きと一品。
これは良い店を発見した。また来たい。
店名:お好み焼 中野 かるた
住所:東京都中野区中野5-55-3
TEL:03-5942-8554
営業時間:16:00〜23:00 L.O.22:00 日曜営業
0 件のコメント:
コメントを投稿