「うわばみ会」とは日本酒好きの猛者が集う"飲み友"会なのだが、
お誘いを受けた五反田にある「SAKE story」は、
8月8日にオープンしたばかりの新しいお店。
「旅と日本酒」がテーマで
3ヶ月間を1クールとして、ひとつの県の蔵に焦点を当てるというコンセプトだという。
路地裏にあり、お店を見つけるのに少々手こずってしまったが、
この小さな杉玉を見つけ、無事に到着。
お店は2階のようだ。
とくにお店の看板とかはないんだね。
階段をのぼると、会津娘の看板がお出迎え。
これぞ"看板娘"(笑)
個室に通され、灯りを見ると「泉川」・「風が吹く」のラベルが貼られた素敵な照明。
そう、いまは「福島県」の蔵が主役なのだ。
お料理もお酒もアラカルトで注文できるようだが、
今日は、ぼぶさんスペシャルのコースでお願いしている。
さて、SAKE storyの店主橋野元樹氏は笹塚にある名店「兎屋」の2代目であり、
2016年には「Mr.SAKE」に選ばれた日本酒界では名の知られた方なのだ。
その橋野氏が満を持して8月に独立出店したのがこの「SAKE story」というわけ。
机には焼酎サーバーが置かれていたが、
中身は和らぎ水。
このサーバーの使い方いいなぁ~
お店からキューピーの「よいとき」をいただき、準備万端だ。
まずは赤星★で小乾杯!
そして、"ふくしま酒物語"の幕開けだぁ!
炭酸注入の"酒パークリング"で乾杯。
お酒は「奈良萬 純米吟醸」。
こうやって炭酸を後から注入してつくる日本酒スパークリングって初体験♪
お重に入った八寸。
福島名物「いかニンジン」「にしんの山椒漬け」。
車麩も会津のものかなぁ?
徳利や小鉢には鳥獣戯画のユーモラスな動物たちが描かれている。
これは現代浮世絵師ツバキアンナさんによるものだ。
ツバキアンナさんの作品は石神井の「粋酔」に何点も飾られており、
そのご縁で酒席をご一緒させていただいたこともある。
ここでアンナさんの作品に出逢えるとは嬉しい♬
ひろうす・ひりうず・飛竜頭
いろんな呼び方があるが、私はやはり「がんもどき」がしっくりくるな。
奈良萬は酒米にはすべて五百万石を用いるのだが、
唯一違う酒米を使ったものが「酒未来」だ。
「酒未来」は山形の「十四代」が用いている酒米で、
信頼の置ける蔵元にだけ酒未来を譲っているんだとか。
「奈良萬」の酒未来は飲んだことあるが、この3酒飲み比べははじめて。
とくに一番左の会津の酒屋、植木屋さん御誂えの「にごり」へ激レアらしい。
さぁ、そしてこちらが兎屋から伝わる「すき焼きコロッケ」。
中をあけるとイイ感じに黄身がとろけ出す。
美味しい!
磐城壽を醸す鈴木酒造店は浪江町にあったのだが、
東日本大震災の津波で蔵が全て流され、
奇跡的に件の醸造試験場に預けていた酵母をもとに、
いまは山形県長井市に移転し酒造りをつづけている。
レトロかつ剛健な「磐城壽」のラベルは好きだ。
この鰺の干物、ただの干物ではない。
橋野さんのFacebookから引用させてもらうが、
最新テクノロジーが駆使された干物なのだ。
昨晩のガイアの夜明けで特集されていた革命的な調理機械“Dr.fry“。
SAKE storyでも使わせて頂いてますが、分子を細かくして繋げる事で、
揚げ物は油の吸い込みが少なく、高温のコンフィ状態で熱を入れるので焼き物も作れます。
うちの人気メニューの熱海の藤間さんのどんちっち鯵の干物もこれで火を入れる事で、
中はふっくら、骨も頭から食べられるんです♩
情報テクノロジーや調理機械の進化は日進月歩ですね。
そして、ここでワガママをいって、
大衆酒場でおなじみのバイスサワーをいただく。
バイスサワーも橋野さんの手にかかると、プレミアムなものになる。
金宮焼酎ではなく、「百年の孤独」で知られる黒木本店(宮崎)が造る米焼酎「野うさぎの走り」をバイスで割ったものだ。
おちょこでいただく、バイスサワーってはじめて(笑)
でも、こうやっていただくとバイスの清涼感でちょうどいい口直しにもなる。
この「土耕ん醸」も鈴木酒造店の銘柄。
まさに、震災前からあったブランドだが、
「ど根性」とはまさに鈴木商店にふさわしいネーミングと言えよう。
ポテサラ
「会津中将」
とにかくどの銘柄もスペック違いを飲ませていただくことができたので、
楽しかったな。
兎屋時代からの長いおつきあいで、
会津の蔵元、酒屋さんと懇意にされている橋野さんだからこそ、
これだけのレア酒が揃うのだろう。
〆は稲庭うどんの最高峰「佐藤養助商店」のものだ。
つるこしの麺、美味い!
橋野さんの接客は、日本酒の知識をひけらかしたり、
あれこれ御託を並べたりすることなく、
お客さんに寄り添うような応対でとても好感が持てた。
着物を粋に着こなすイケメン店主の優しいおもてなしで、
今後ますます人気のお店となるだろうな。
福島県の次はまだ決まっていないとのことだったが、
どこを旅するのか楽しみだ。
そして、「旅と日本酒」といえば、
この日、はじめてご一緒した方が「旅酒」というプロジェクトを運営されている方で、
47都道府県で「旅酒」というお酒をその地の蔵元さんと協力して販売しているのだ。
全国を旅したときに「旅酒」を探してみるのも新たな楽しみになりそうだ。
▼言葉では伝わりづらいと思うので、ぜひサイトをのぞいてみてください。
SAKE story
品川区 西五反田2-17-8 浅見ビル2階
電話: 03-6431-9198
定休日:日・祝
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